四五〇〇年前の古代インダス文明の印章には、家畜化されたスイギュウやコブ牛の紋様が見られる。 これらの動物は、ハラッパー、モヘンジョダロやそのほかのすばらしい文明をもつ都市において、すでに入間の召使になっていたのである。 インダス文明の、腕ききの「都市設計者たち」は、その当時の動物の往来についても考慮をはらっていた。 街の壁には、スイギュウやコブ牛の肩の高さのあたりに、おびただしいこすり傷が勢見されている。 さらに、もっと高く道路から優に二・四メートルもあるところに別のこすり傷も見られる。 このことは、ゾウがブユなどに刺されてかゆいところをこするため、木がないときは家の角を使つたことをあきらかに物語っている。 ナイル川[アフリカ東部]流域からの絵画や彫刻は、 エジプトの家畜についてくわしい情報を提供してくれている。 家畜舎や納屋の様式からは、動物たちがどのように飼われていたのかを正確に知ることさえできる。 これらの絵は、おそらく子どもたちの遊び道具であったと思われる。 また農業の初心者にたいする教育にも使われたことであろう。 |