イボタはモクセイ科。 低山によく自生樹がある。 山採りというと印象が悪いが、私有地で許可を受ければ簡単に手に入る樹種である。 手軽な樹で、ベテランも楽しんで作る本格的な小品樹である。 地味だが樹形を様々に工夫すれば一級品も可能。 渋味のある良い樹である。 花は花木とはいえないが、6月ごろに白い総状花がひょいひょいと飛び出して咲き秀逸。 ボンサイ界で水蝋樹というのがイボタである。 古木になると荒れ方が面白く、比較的早く荒れ気味になるタイプもある。 古樹は初めて見る人には驚くほど味があり、なかには<イボ幹>のような荒れ方をする性もある。 つまりは本格的なボンサイ樹なのである。 樹勢は強い。 新梢は次々と伸び、これを鋏で切り返しながら作る。 鋏作りのお手本のような樹で、技術を得るにも最適。 鋏の入れ方で出来が違ってくるから、ベテランの人も熱中できるわけである。 作るイボタは多彩。 一点ごとに樹形が違い、仕上げの期間も早い。 畑上げの太幹樹でも4〜5年で仕上がる。 まず挿し木苗の作りから見ていくことにしよう。 |